借金の取り立てで電報が使われることはある?

貸金業者による借金の取り立ては複数の方法で行われます。一番よく使われるのは電話とはがきを使っての督促で、返済期日にお金を返せなかった経験のある人なら心当たりがあるでしょう。また、長期に渡って返済しない債務者に対しては社員が車で訪ねてきて直接返済を迫ることもあります。

電報による取り立ては1980年代頃まではよく行われていましたが、規制が入ったことで今はあまり使われていません。

すぐにでも債務者に入金してほしい消費者金融

貸金業者であれば返済を遅らせた人に対して必ず取り立てを行いますが、その厳しさは業者によって違います。例えば、クレジットカード会社であれば利用者の口座から利用代金を引き落とすことができなくても、すぐに取り立てをしてくることはないでしょう。

というのは、銀行口座からの引き落とし契約をしているため、別の日に改めて引き落とせばだいたい代金を回収できるからです。しかし、消費者金融の場合、債務者がATMに入金するという形で返済を受け付けている業者がほとんどで、クレジットカード会社のように銀行口座からの引き落としを返済方法の手段としているところはまずありません。

そのため、一刻も早く、債務者にお金を入金してもらうために返済期日を一日でも過ぎればほぼ確実に電話で取り立てを行うようになっているのです。

ただ、一日遅れただけであれば厳しい口調で取り立てをすることはありません。

長期滞納者の場合、自宅訪問で取り立てを行うことも

借金の取り立てを行う意味は当然、貸したお金を回収するためというのが一番ですが、長期滞納者に対しては少し意味合いが違ってきます。たとえば、何ヶ月、あるいは何年もお金を返さない債務者がいた場合、貸金業者は社員を債務者の家に向かわせて直接取り立てを行いますが、これは債務者の状況を確認するという目的もあるのです。

もし、表札をチェックして債務者が住んでいるのを確認したあと、自宅の敷地内に債務者の車が置いてあるのを見たという場合、債務者には車を維持できるお金、あるいは車を購入できるお金があると判断できます。当然、働いている可能性が高く、また車以外の財産もあるかもしれません。

であれば、電話やはがきよりもプレッシャーをかけられる方法で取り立てれば返済してくるのではないかということで、裁判所経由で支払督促をしたり、あるいは裁判を起こしたりするわけです。

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裁判と差し押さえはもっとも厳しい取り立て方法

裁判を起こすというのは、もっとも強烈な取り立て方法の一つといえるでしょう。というのは、多くの一般人にとって訴えられて被告人になるという経験は初めてだからです。テレビドラマに出てくる刑事裁判のイメージが強い人であれば、ものすごい恐怖を感じるかもしれませんし、出廷したくないので親などからお金を借りて一括で返済するかもしれません。

こういった債務者の行動は貸金業者にとっては狙い通りであり、彼らが長期滞納者を訴えるのは今までにはないほどのプレッシャーをかけて、裁判前に返済させたいという意味合いもあるのです。また、長期滞納者を訴えれば、貸しつけ方法や今までの取り立てによほどの問題がない限り原告勝訴の判決が出るので、そうなれば、最強の取り立て方法といえる差し押さえを使えるようになります。

1980年代までよく用いられていた電報による取り立て

1980年代頃までは裁判、差し押さえ以外にもう一つ、厳しい取り立て方法があり、貸金業者によく利用されていました。それは電報を使った督促です。なぜ電報による取り立ては債務者によって厳しいのかというと夜間の配達が行われていたからです。

電報は電話があまり普及していない頃に作られたサービスであり、電話で連絡を取れない人に対して大至急、用件を伝えるための通信手段でした。

そのため通常の郵便とは違い、夜の8時や9時に送信された場合でも当日中に届いたのです。また、配達人が宛先に住んでいる人に手渡しをするという特徴もあるので、夜の10時や11時にドアを叩かれたり、チャイムを鳴らされたりすることになりました。

受け取った電報には「ハヤクネカエセ」といった風にカタカナでシンプルかつ強い言葉が書かれており、それも債務者にとってはプレッシャーだったでしょう。

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数は少ないが今でも電報で取り立てる業者は存在する

債務者を悩ませた電報による取り立てですが、現在はほとんど行われていません。なぜかというと規制が入ったためです。例えば、取り立てを行える時間が午後9時までと定められました。また、電報サービスを扱っている会社側も深夜の配達をやめるようになりました。

さらに、債務者を脅すような文面も書けなくなったため、取り立ての手段として効果が激減したのです。しかしながら、電報を使って取り立てを行う貸金業者がゼロになったわけではありません。なぜ、電報を使い続けているのか正確な理由は不明ですが、おそらく、「普通とは違う」というところに意味を見いだしているのでしょう。

長期滞納者は電話は無視しますし、督促状が送られてきてもまったく気にしません。送られること自体が当たり前になっているからです。しかし、電報という珍しい連絡方法を取られるといつもと違うので不安を覚える人もいるでしょう。

貸金業者はそれが狙いなのです。

貸金業者から送られてくる電報にはなにが書かれている?

では、現在取り立てで送られてくる電報にはどのようなことが書かれているのでしょうか。業者によって文面は異なりますが、「レンラクシテクダサイ」といった内容が多いようです。長期滞納者は自ら貸金業者に連絡をするということはまずなく、それだと貸金業者としてはなんの話し合いもできないため、まずは連絡をして欲しいということを伝えたいのでしょう。

電報の呼びかけに応じて債務者が連絡をしたらどうなるのかというと、当然、いつ返済できるのかという話になります。今、お金がないので返せない、もう少し待ってほしいと債務者が言ったら、業者側はではいつまで待てばいいのかと言って、なんとしてでも返済日の確約を取りつけようとするでしょう。

したがって、返済できるあてがないのに連絡をしても、基本的にはほとんど意味がありません。

督促状に応じて債務者から連絡するのであれば

何年も返済していない状況であえて債務者の方から貸金業者に連絡をするのであれば、返済できるめどが立ってから、あるいはまとまった収入が入ってからにしましょう。うまく交渉すれば債務を大幅に減額してもらえるかもしれません。

というのは、長く返済されていない債権の管理は面倒なので、少しでも早く処理したいと考える貸金業者も少なくないからです。